アルバイトでも退職金がもらえるのか？

雇用契約書や就業規則に、退職金に関しての記載があれば退職金がもらえる

アルバイトが退職金をもらえるのかを確認するためには、採用された時にもらった「雇用契約書」や「雇入通知書」をチェックしてみましょう。

平成20年のパートタイム労働法の改正によって、アルバイトを雇う際には「退職手当」「昇給」「賞与」の有無が存在するのかの明示が必要になったので、それらの書類をチェックすると退職手当がもらえるのかがわかります。

ただし、アルバイトの多くは退職金が出ない契約になっているケースが多いので、あまり期待しすぎないようにしたいです。

もし、上記した書類が見つからなかったり、もらっていなかったりする場合は、企業に備え付けられている就業規則をチェックしましょう。

10人以上の従業員がいる企業では、就業規則を整備する義務があるので、多くの企業に就業規則が存在するはずです。

その就業規則に退職手当について記載がある場合は、退職金をもらえます。

ただし、就業規則はアルバイト用と正社員用で分けられている場合があるので、アルバイト用のほうに退職手当が支給されると書かれている必要があるので注意してください。

アルバイトでも、正社員並みに働いていれば退職金がもらえる

最近では、アルバイトやパートなどの非正規社員が増えて、雇用者の3割にまで達しています。

短時間の軽作業を行うようなアルバイトも多いですが、中には、正社員並みに働いているアルバイトもいます。

軽いアルバイト程度であれば退職金は出ないケースが多いですが、正社員並みに働いている場合は、退職金が出る可能性が高くなります。

正社員並みに働いている場合には、正社員と同じ待遇にしなければならないという法律があるからです。

「正社員並みに働いている」と言うためには、

• 職務内容が正社員と同一
• 人材活用の仕組み（人事異動などの有無や範囲）が正社員と同一

の条件を満たしていればよいです。

以前までは、「期限の定めのない労働契約を結んでいる」という条件もありました。

しかし、「期限に定めがある」アルバイトにも正社員並みに働いている人がたくさんいることから、法改正が行われました。

平成27年のパートタイム労働法改正により、有期労働契約者でも、上記の二つの条件を満たしていれば正社員並みに働いていると判断され、正社員と同じ労働条件が適用されることになりました。

正社員並みと見なされるための条件の一つである「人材活用の仕組みが正社員と同一」というのが少し分かりづらい人もいるかもしれません。

「人材活用の仕組みが正社員と同一」とは、

• 正社員に転勤などがある企業で働いているなら、アルバイトでも転勤を命じられる可能性がある
• 転勤がない企業ならば、正社員とアルバイトなどで職務の範囲が同じ、配置転換もある

というようなケースです。

ただし、このあたりの判断は難しいことも多いので、正社員と同じ仕事をしていると感じた場合には、労働基準監督署などで相談するとよいでしょう。

もし、正社員並みの仕事をしていると認められて、その企業に正社員の退職金制度があるのならば、アルバイトであっても退職金をもらえます。

まとめ

アルバイトが退職金をもらえるのかを確認するためには、

• 「労働契約書」や「雇入れ通知書」をチェックする

または、

• 「就業規則」をチェックする

を行ってみましょう。

これらのチェックを行って退職金がもらえない場合でも、正社員並みに働いて、正社員に退職金が支払われている場合には退職金がもらえます。